「勉強しなさい」と言わなくても勉強する子は何が違う?
ブログFROM: 笠井伸春
対照的な二人のお子さんがいます。
Aくんは学校のテスト期間中もそうでないときも毎日同じくらい勉強しています。一方、Bくんはテスト前だけ勉強量が増えるんですが、終わるたびに勉強しなくなります。
どちらも今は中学生。僕から見ると持っている能力は変わりません。
では、二人の何が違うのか?
僕がAくんに初めて会ったのは小学5年生のとき。将来医者になりたいと言いました。
Bくんは、親から「次のテスト頑張りなさい」と言われるし、周りもやっているからやろうかな、という感じでした。
何のために勉強するのか?
二人に聞けばこう答えるでしょう。
Aくん「医者になりたいから」
Bくん「テストがあるから」
Aくんは医者になりたいので、医学部に入るための進学校にいくことが中間目標。今回の学校のテストはただの通過点です。通過点を過ぎたからといって立ち止まる理由はありません。
Bくんは学校のテストでいい点をとるために勉強したので、テストが終わればやらなくなります・・・
必ずしも大きな目標がなくても大丈夫
この話をしたのは「お医者さんを目指せ」と言いたいからではないです。夢を持つのは素晴らしいことですが、無理に大きな夢を持たせるものでもないと僕は思います。
あなたのお子さんはどちらのタイプでしょう?
「目標のためにやる(目標型)」or「なんとなくやりたいからやる(価値観型)」
実は、勉強に関してはどちらでもうまくいきます。その特性を活かせば。
目標型タイプ(イチロータイプ)
イチローは、完全に目標型と言われています。小学生の頃から「一流のプロになる」という目標を設定して、そこから逆算して計画的に練習してきた。野球の大会があろうがなかろうが毎日誰よりも素振りをしていたそうです。
日本人には目標型の人は少ないそうですが、もし、こちらのタイプなら、将来の夢をはっきりと思い描いて、紙に書きましょう。(イチローは小学生の時に将来の年俸までくわしく作文に書いています)その夢のために勉強が必要ならやるだけです。
価値観型タイプ(松井秀喜タイプ)
「10年後に必ずこうなる」という目標ははっきり決めていないが、「こういう自分であるべきだ」という価値観があってその通りに今日も行動する。気がついたらすごくなっている。
このタイプで勉強頑張って伸びているお子さんが多いです。もし、こちらのタイプなら「なぜ勉強するのか」を意識させる質問を普段からすることをおすすめします。
例え親でも人の価値観を押し付けられても行動できません。行動する理由、その答えは自分の中にしかないので。
「勉強しなさい」ではなく、「なんで勉強すると思う?」と聞きましょう。質問されないと脳は意識できないそうです。
はじめのうちは、答えが思い浮かばなかったり、ネガティブな答えが出てるかもしれません。従順な子なら大人が求める答えを口にするだけかもしれません。でも、大丈夫。知識を吸収したり、できるようになることを心地良い、と感じるのは人間の本能なので、お子さんの中にも必ずあります。時々聞いてみましょう。
「できるようになりたいから」「頑張りたいから」「おもしろいから」そういうポジティブな答えが返ってくるようになったらいいですね。
笠井伸春
(家庭教師のオアシス 代表)
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◆執筆者紹介
笠井伸春
家庭教師のオアシス代表
ふくい家庭教師ナビ(カテナビ)主宰
単に目先の点数を上げることだけではなく、自信につなげ、いかに生徒が自分から学習できるようになるか、自立した学習が身に付くようなサポートを目指す。
高校入試対策のため勉強方法を教えた中学生が、高校でも実践し伸びていることを知り
「1回のテストのための得た知識は1回使ったら価値がなくなるけど、一度身につけた勉強方法はその先もずっと使える能力なんじゃないか?」
と考え、勉強のやり方を教える家庭教師のチームを作る。
主眼にしているのは、
- 生徒の能力に関係なく学習効果の高い勉強方法を身につけてもらうこと
- 成果につなげるため、家庭教師の授業がない日でも効果的な家庭学習ができるようになること