算数・数学は定規を使うな
ブログFROM 笠井伸春
「○○高校の英語の先生は教え方がよくない」
「○○中学の理科の先生は間違ったことを教えている」
など、学校の先生を批判する方は結構います。
僕はそういうのはしたくないな、と思います。
なぜかというと、
間違いを指摘するのはいいとしても、
生徒の前で先生の教え方批判をすると、
生徒がとまどって授業を真剣に聞けなくなるかもしれないから。
でもですね、
ときには例外があります。
それは、
どうでもいいところで定規を使わせること。
この前も、またか、、、
ということがありました。
ある小学校高学年の生徒が
分数の線を定規で書いていました。
「丁寧に線を引けば、定規は使わなくていいよ」
とアドバイスすると、
「学校の先生が使えって言うからダメなんです」と・・・
あなたのお子さんの先生はどうでしょう?
これ、別に構わないと思いますか?
きっと、先生は
丁寧に書くことを大切にしているんでしょう。
でも、実際に
書いている様子を見るか、
自分でやってみると
いかに無駄かがわかりますよ。
定規を線に合わせて置く(周りの数字は定規で見えなくなる)
↓
線を引く
↓
定規をどける
↓
前の数字をみて計算を考える
↓
分母と分子に数字を書く
↓
定規を線に合わせてと置く
↓
(繰り返し)
どうでしょう。このもどかしさ。
これは算数ではなく、定規使いになるトレーニングか?
と思ってしまいます。
笑い事ではなく、
定規の操作のせいでいちいち思考が止まるんですよ。
「計算って時間がかかってめんどくさいな」
と算数嫌いになるもと。
何よりも一番の学習目的のはずの、
考える力やスピードアップのトレーニングになりません・・・
失礼ですが、この先生は
学習目的がわかっていないのか、
数学が得意ではなかったのかな、と想像します。
ちなみに、
中学受験では定規持ち込み禁止のところも多いし、
トップ層の生徒の通う進学塾なら、
できるだけフリーハンドで書くことをすすめています。
小学5年あたりからは
図形もフリーハンドで書けるといいですね。
最初はうまく書けないでしょうが、
やっていけば段々とうまく書けるようになります。
すばやく、全体をイメージできるようになるので、
図形問題も得意になっていくはず。
中高生でも数学の得意な人は、
関数のグラフや図形はほぼフリーハンド。
これは、得意だからフリーハンドで書けるわけでなく、
書くトレーニングをしてきたら、
思考力もきたえられて得意になっていくわけですね。
ぜひ、見た目のきれいさではなく、
本当の学習をしてほしいなと思います。
それでは、
今日も実りある1日を。
笠井伸春
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◆執筆者紹介
笠井伸春
家庭教師のオアシス代表
ふくい家庭教師ナビ(カテナビ)主宰
単に目先の点数を上げることだけではなく、自信につなげ、いかに生徒が自分から学習できるようになるか、自立した学習が身に付くようなサポートを目指す。
高校入試対策のため勉強方法を教えた中学生が、高校でも実践し伸びていることを知り
「1回のテストのために得た知識はテストが終わったら価値がなくなるけど、一度身につけた勉強方法はその先もずっと使える能力なんじゃないか?」
と考え、勉強のやり方を教える家庭教師のチームを作る。
主眼にしているのは、
- 能力に関係なく学習効果の高い勉強方法を身につけてもらうこと
- 成果につなげるため、家庭教師の授業がない日でも効果的な家庭学習が自分でできるようになること