今の子どもたちの読解力
ブログFROM ツバキ
先週のブログでは、
AIは計算は得意だけれど、
柔軟に考えたり、アイデアを出したり、コミュニケーションを取ったりするのは、人間にしかできないこと。
つまり、これらの力がこれから益々必要になってくる、とお話ししました。
今日は、今の子どもたちの力は実際どうなのか、ということをお話ししたいと思います。
新井先生が行った、基礎的読解力を調査するための
「リーディングスキルテスト(RST)」の一部を見てみましょう。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
Alexandraの愛称は( )である。
① Alex ② Alexander ③ 男性 ④ 女性
わかりましたか?
正解は ①Alex です。
正解しましたか?
この問題文を短くしてみると
「Alexは、女性の名Alexandra、男性の名Alexanderの愛称である」
となりますね。
なので、
「Alexandraの愛称はAlexである」という意味の文になります。
AIは正解したようです。
もちろん、AIは文章の意味を理解したり、意味が通るか考えるわけではないですよね。
これまでのデータや統計を基に判断しています。
では、実際の中高生の正答率はどうだったと思いますか?
中学生の正答率… 38%
高校生の正答率… 65%
だったようです。
ちなみに、
④女性、を選び「Alexandraの愛称は女性である」が正解と考えた生徒は、
中学生が39%、高校生が26%でした。
なんと、中学生では、正解の①を選んだ人より多かった、ということがわかります。
なぜこんなことになったのだと思いますか?
新井先生は、
「おそらく「愛称」という言葉を知らないからです。
そして、知らない単語が出てくると、それを飛ばして読むという読みの習性があるためです。
「Alexandraは女性である」ならば、文として意味が通ります」
と分析しています。
そして、続けて誤読が多い言葉が挙げられています。
設立→せいりつ 首相→しゅそう
用いる→よういる 居住地→いじゅうち
・・・
これらを見て、妙に納得しました。
生徒さんに問題文を読んでもらうと、
確かにこのような読み間違いをするお子さんが多いことを、私も感じています。
他に、「『学』から始まる単語を見ると、
『学級』でも『学年』でも『学業』でも全部、『がっこう』と読む生徒もいる。
なぜかと聞くと、「そのほうかよく当たるから」と答えた」とありました。
(出典: 「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」)
基本的な係り受け、「何が(主語)、どうした(述語)」、
「どんな(修飾)、もの(被修飾)」の関係が理解できない。
また、言葉を知らない。
よって、教科書に書いてあることがわかならい、という現状が明らかになりました。
この現実を、あなたはどう思われるでしょうか?
この続きは、また来週のブログでお話ししたいと思います。
ツバキ
(家庭教師のオアシス チューター/教務スタッフ)