今の子どもたちの読解力から考えること
ブログFROM ツバキ
先週は、今の子どもたちの読解力の現状をお話ししました。
今日はその結果から考えることをお話ししようと思います。
その前に、1つ。
AIが苦手とすることの中に、同じ意味かを判断すること、があります。
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」
この文の内容は、下の文の内容と同じか、異なるか。
「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」
この2つの文の中に出てくる単語はほぼ同じです。
だから、単語で違いを判断することはできませんよね。
誰が、何を、と係り受けなどを理解していないと判断できません。
ロボットには、とても難しいことです。
どちらだと思いますか?
1/2です。
ある意味、硬貨を投げて、表か裏かで答えても半分(50%)は当たります。
答えは、「異なる」です。
幕府が大名に命じました。
しかし、下の文章では、大名が幕府に命じた、という内容になります。
結果は、中学生の正答率は57%でした。
特に、中3生が55%と、最も低かったようです。
硬貨と投げて当たる確率と変わらない・・・という、とてもショックな結果でした。
「リーディングスキルテスト(RST)」を通してわかったことの中に、
・中学校を卒業する段階で、約3割が文章の(内容を理解するのでなく、表面的に読むだけの)読解もできない
・進学率100%の進学校でも、内容理解の必要な読解問題の正答率は50%強
というものがありました。
(出典: 「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」)
将来的に、人間がする仕事の内容が、「AIができないこと」になっていく、とされています。
ですが、今の子どもたちがこの調査結果の状態のまま大人になると、
「AIができないこと」=「人間にも難しいこと」もしくは、「できる人間が少ないこと」
になる可能性が高くなってしまう、と思いませんか?
そうすると・・・
仕事に就くこと、
他の人とコミュニケーションをとって上手に人間関係を築いたり、仕事を進めたり、
ものごとの本質(中身)や弱点などを論理的に理解して説明すること
・・・
などが難しくなっていくことが想像できます。
私は、RSTの結果、それから予想されることに、とても危機感をもちました。
あなたは、どう思いますか?
打破のカギとして、まず「読解力」なのですが・・・
このテーマについては、また来週お話ししたいと思います。
ツバキ
(家庭教師のオアシス チューター/教務スタッフ)