減っていたのは、スマホの時間ではありませんでした
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全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。SNSや動画の視聴時間が長い児童生徒ほど、各教科の正答率やスコアが低い傾向が引き続き見られた、と報じられています。
平日1日に3時間以上見ている子は、中学3年生で49.1%、小学6年生で37.3%。中3はちょうど半数です。
この数字だけなら「やっぱりスマホか」で話が終わってしまいそうですが、同じ調査に並んでいた別の数字の方が気になりました。
中3の半数が3時間以上、という前提から始める
保護者面談では「うちの子、スマホばかりで」という声をよく聞きます。
ただ、中3の半数が同じ状態だとすると、これはお子さん個人の性格や意志の弱さの話ではなくなります。
取り上げれば机には向かいます。でも頭の中まで戻ってくるかは別の話で、そこから家の空気が悪くなってしまう場面も見てきました。
文部科学大臣も会見で、学校でのICT機器の活用だけでなく、家庭でどう活用してルールをどう決めるかが重要だと話しています。
禁止する、ではなくルールを決める。ここに一つ目のヒントがあります。
減っていたのは、勉強の話が出る時間
同じ調査で、学校の授業以外に平日1時間以上勉強している子は、小6で50.3%、中3で61.7%でした。
5年前と比べると、どちらも10ポイント以上減っています。
スマホに時間を取られた分だけ勉強時間が減った、と読むこともできます。
ただ、この調査にはもう一つ気になる項目がありました。学校の勉強のことを家族と話している子ほど、授業以外の勉強時間が長かった、という結果です。
実は、似た話を9年前にこのブログでも紹介しています。東大生の9割が「家の人に話をしっかり聞いてもらっていた」というアンケートです(子供の学力を上げるたった一つの親の習慣)。
昔のアンケートと今回の全国調査が、同じ場所を指しています。
減っていたのはスマホの時間ではなく、家で勉強の話が出る時間の方かもしれません。
「どこまで進んだ?」を「今、何やってるの?」に変える
教室で「今日、家で何やった?」と聞くと、最初はだいたい「別に」と返ってきます。
家庭でも似た場面はあると思います。
一つ、試しやすい方法があります。「どこまで進んだ?」を「今、何やってるの?」に変えてみる、という方法です。
「どこまで進んだ?」の答えは「まだ」か「終わった」の二択で、そこで会話が終わります。進み具合の確認であって、勉強の話にはなっていません。
「今、何やってるの?」だと、中身を説明することになります。説明しようとして詰まった場所が、本人にも見えます。
今回の調査では、3年ぶりに実施された中学英語で、聞き取る力・読み取る力に成果が出た一方、自分の考えを書いたり話したりするときに理由を示すことに課題が残ったと報告されました。
理由を言葉にする練習の場は、実は家の会話でもあります。「なんでそう思ったの?」と聞かれた回数が、そのまま英作文の内容につながっていきます。質問されないと脳は考えようとしないとも言われていますし。
スマホの時間をゼロにできる家庭は、そう多くありません。
減らす交渉を始める前に、勉強の話が食卓に戻ってくる方が早いこともあります。
「今、何やってるの?」の一言なら、夏休みの残りからでも試せます。
以上、参考になれば幸いです。

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◆執筆者紹介

笠井伸春
個別指導塾・家庭教師のオアシス 代表
ふくい家庭教師ナビ(カテナビ)主宰
単に目先の点数を上げることだけではなく、自信につなげ、いかに生徒が自分から学習できるようになるか、自立した学習が身に付くようなサポートを目指す。高校入試対策のため勉強方法を教えた中学生が、高校でも実践し伸びていることを知り、「1回のテストのために得た知識はテストが終わったら価値がなくなるけど、一度身につけた勉強方法はその先もずっと使える、価値の高いスキルなんじゃないか?」と考え、勉強のやり方を教える家庭教師のチームを作る。
主眼にしているのは、
- 「できる」を実体験してもらい、自信と前向きさを身につけてもらうこと
- 能力に関係なく学習効果の高い勉強方法を身につけてもらうこと
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