「勉強しなさい」と言われなくても動く子が持っているもの
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夏休みも半分近くが過ぎるこの時期、保護者の方からよく聞く声があります。「気づいたら、一日に何回も『勉強しなさい』と言っています」。
リビングを見ればスマホとゲーム。ワークは開いた形跡がない。言いたくなる場面は、たしかに多い時期ですよね。
一方で、同じ夏休みでも、言われなくても自分から机に向かう子はいます。何が違うのか。教室で生徒たちを見ていると、性格や能力の差ではないと感じます。
言われなくてもやる子は「何のために」を自分の言葉で持っている
テスト前だけ勉強量が増えて、テストが終わるとぱたっと止まる。よくあるパターンです。理由を聞くと「テストがあるから」
テストのための勉強なので、テストが終われば止まるのは、むしろ自然な流れでもあります。
言われなくても続く子は、ここが違います。「行きたい高校があるから」「英語ができるようになりたいから」
理由が自分の中にあるので、テストは通過点の一つにすぎません。通過点を過ぎても、立ち止まる理由がありません。
差がつくのは意志の強さではなく、「何のために勉強するのか」の答えを自分の言葉で持っているかどうか、ということが一つあると感じています。
目標型と価値観型、お子さんはどちらのタイプか
その「答え」の持ち方には、大きく2つのタイプがあります。
一つは目標型。将来の目標をはっきり決めて、そこから逆算して今日やることを決めるタイプです。
大谷翔平選手が高校時代、大きな目標を紙の真ん中に書いて、そのために今やることを細かく書き出していた話は有名です。このタイプのお子さんには、目標を紙に書くことが効きます。
中3なら、8月の福井新聞模試や11月の学力診断テストを中間目標に置くと、夏の勉強が「やらされるもの」から「通過点」に変わります。
もう一つは価値観型。10年後の目標まではっきり決まっていないけれど、「できないままは嫌だ」「こういう自分でいたい」という感覚で動くタイプです。
実は、勉強を頑張って伸びていく子には、こちらのタイプも多くいます。大きな夢がまだ見つからないことを、心配しなくて大丈夫です。
「勉強しなさい」の代わりに聞きたい、一つの質問
そのうえで、どちらのタイプにも効くのが「なんで勉強すると思う?」という質問です。
人は、質問されないと意識できません。そして、たとえ親子でも、価値観を押し付けられて動き出すことはできません。机に向かう理由は、本人の中にしか見つからないからです。
最初の答えは「わからない」「テストがあるから」かもしれません。それでかまいません。知らなかったことが分かる、できなかったことができるようになる。それを心地よいと感じる気持ちは、誰の中にも必ずあります。思い出したころに、また聞いてみる。それくらいの軽さがちょうどいい距離感です。
「できるようになりたいから」「悔しいから」「なんかおもしろいから」
そんな答えが本人の口から出てくるようになったとき、子供は「勉強しなさい」と言われなくても動き始めます。
「勉強しなさい」と言いたくなるのは、それだけお子さんの将来を真剣に考えている証拠でもあります。
ただ、勉強する理由だけは、親が代わりに用意することができません。
時間のある夏休みは、その理由を本人が見つけるのにいちばん向いている期間でもあります。
「勉強しなさい」の回数が少しずつ減って、代わりに返ってくる答えが少しずつ前向きになっていくといいですね。

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◆執筆者紹介

笠井伸春
個別指導塾・家庭教師のオアシス 代表
ふくい家庭教師ナビ(カテナビ)主宰
単に目先の点数を上げることだけではなく、自信につなげ、いかに生徒が自分から学習できるようになるか、自立した学習が身に付くようなサポートを目指す。高校入試対策のため勉強方法を教えた中学生が、高校でも実践し伸びていることを知り、「1回のテストのために得た知識はテストが終わったら価値がなくなるけど、一度身につけた勉強方法はその先もずっと使える、価値の高いスキルなんじゃないか?」と考え、勉強のやり方を教える家庭教師のチームを作る。
主眼にしているのは、
- 「できる」を実体験してもらい、自信と前向きさを身につけてもらうこと
- 能力に関係なく学習効果の高い勉強方法を身につけてもらうこと
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