「入試の書類にAIを使っていい」という大学が出てきました
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近畿大学の情報学部が、2027年度の総合型選抜で生成AIを使ってよいという方針を公表しました。7月24日の発表です。
第1次審査の自己PR動画を作るときや、第2次審査のプレゼンテーションを準備するときに、アイデア出し・構成の検討・スライド作成などでAIを使って構わない、という内容です。出願は9月1日から12日まで。方針をはっきり書いたのは情報学部だけになっています。
「入試でAIを使っていいのか」と驚かれた方もいるかもしれません。ただ発表をよく読むと、AIの話というより「何を見て合否を決めるのか」の話になっています。福井から大学進学を考えるご家庭にも関わるところなので、整理してみます。
「使うな」ではなく「どう使ったか」を見る入試
近大が同時に示しているのが、選考ではAIを使ったかどうかにかかわらず、受験生本人の能力・思考・独自性を重視するという考え方です。AIを使わない受験生が不利にならないよう、利用環境の違いにも配慮するとも書かれています。
つまり、AIを使ったこと自体は加点でも減点でもない、ということ。見られているのは、そこにその人の考えが残っているかどうかです。
学部が求める力としても、文書作成を自動化する力ではなく、考えを深めてアイデアを形にするための相棒としてAIを使いこなす力、と説明されていました。「AIに書いてもらう」ではなく「AIを活用する」ができるか、ということ。
総合型選抜は、国のルールで面接が必ずある
ここで一緒に知っておきたいのが、国が出しているルールの方です。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日通知)には、総合型選抜について、志望する学問分野への意欲や適性に関する面接による評価を必ず行う、と書かれています。ここでの面接には、集団討論やプレゼンテーション、口頭試問も含まれます。学校推薦型選抜も、一部の例外を除いて同じ扱いです。
あわせて、志望理由書や学修計画書のような「志願者本人が記載する資料」を必ず評価に活用する、とも定められています。
書類を出して、その書類について本人が聞かれる。この形が、どの大学でも共通になっているということ。
面接の練習をしていると、書いたものは整っているのに「ここ、どういう意味?」と一つ聞いただけで止まってしまう場面があります。借りてきた言葉は、話し言葉に変えた瞬間に分かります。これはAIが出てくる前からある話で、例文をそのまま写した志望理由書でも同じことが起きていました。
だから、AIを使うことが危ないというわけではなく、使ったとしても、あとに自分で噛みくだく時間を取らないまま出願日を迎えてしまうことが、危ないだけです。
高校生には、夏休みが明けてすぐの話
実施要項では、総合型選抜の願書受付は令和8年9月1日以降、合否の発表は11月1日以降と決まっています。学校推薦型選抜は、出願が11月1日以降、発表が12月1日以降です。
福井県内の多くの高校では7月下旬から、進学校だと今週末から夏休みに入っています。総合型を考えている高3生にとっては、休みが明けるころにはもう出願期間ということ。福井大学にも福井県立大学にも総合型・学校推薦型の枠がありますし、県外の私立でも入口の時期は変わりません。
残りの夏にできることを挙げるなら、次の3つになります。
①志望理由の「材料」を先に集めること。オープンキャンパスで見たこと、部活や探究活動で自分がやったこと、読んだ本。材料がないままAIに頼むと、どの大学にも出せてしまう文章が返ってきます。
②AIで整えた文章を、一度自分の言葉に置き換えてみること。「これって要するにどういうこと?」と言い直してみて、言い直せなかったところが、まだ自分のものになっていない部分です。
③声に出して読んでみること。黙って読むと通ってしまう文章も、口に出すと「自分はこんな言い方をしない」と気づきます。面接で聞かれるのは、まさにその声の方ですから。
高1・高2のご家庭にも一つ。福井県立高校では、高1からの評定平均が総合型・学校推薦型の出願条件になることがあります。藤島・高志・羽水に通っているお子さんなら、夏休み明けの定期テストと提出物が、そのまま2年後の選択肢の幅につながっていきます。
AIが使える入試が出てきたと聞くと、準備が楽になったように感じるかもしれません。
でも実際に起きているのは、それに近いようで少し違うことです。
道具がみんな同じになるほど、残るのは「何を考えたか」の差になります。
夏の残りは、文章を仕上げる時間というより、自分の言葉を見つける時間だと考えてみるといいですね。
【出典】近畿大学「情報学部が総合型選抜での生成AI利用方針を明示」(2026年7月24日発表)/文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日付け8文科高第318号)。出願期間や審査日程は大学ごとに異なりますので、志望校の募集要項で最新の内容をご確認ください。

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◆執筆者紹介

笠井伸春
個別指導塾・家庭教師のオアシス 代表
ふくい家庭教師ナビ(カテナビ)主宰
単に目先の点数を上げることだけではなく、自信につなげ、いかに生徒が自分から学習できるようになるか、自立した学習が身に付くようなサポートを目指す。高校入試対策のため勉強方法を教えた中学生が、高校でも実践し伸びていることを知り、「1回のテストのために得た知識はテストが終わったら価値がなくなるけど、一度身につけた勉強方法はその先もずっと使える、価値の高いスキルなんじゃないか?」と考え、勉強のやり方を教える家庭教師のチームを作る。
主眼にしているのは、
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